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遠藤: 株式会社エイムソウル ジェネラルマネージャーの池田主水さんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
池田: よろしくお願いします。
遠藤: さっそくですが、12/8の若手社員育成セミナーではお世話になりました。池田さんは社員育成に深く関わっていらっしゃいますが、最近の若手の人たちの特徴をどのように捉えていますか?
池田: そうですね。ゆとり世代の新入社員に限りませんが、人事の方とお話しすると出てくるキーワードとして、特徴は大きく分けて3つだと思います。
1.自責で考えられない。
どうしても他人のせいや環境のせい、ひいてはお客様のせいなど、他に責任をすり替えてしまう人が増えているように思います。
2.コミュニケーションの質が希薄。
会話は上手なんですけど、どうしてもうわべでのコミュニケーションで、ぐっと踏み込んだ本音でのコミュニケーションができていないように思います。
3.競争意欲が弱い。
社会は勝負の世界で結果を見られるのですが、もちろん勝つことだけが素晴らしいというわけではありません。負ける事で学ぶこともあります。それにしても、そもそも勝負をしない・したくない、ナンバーワンよりはオンリーワーンでありたい、自分らしくありたいという思いが強くなっています。したがって組織も目標に向かって一丸になるという雰囲気がない、未達成でも平然としているという事に課題感をお持ちの方もいらっしゃいます。
遠藤: そうした若手に対して、エイムソウル社としてはどんなサービスを提供しようと思っているのでしょうか?
池田: 5年間、教育・研修に携わってきて行きついた結論というものがあります。特に若い世代は頭で理解させるよりも、体感で理解させる事(体で覚える、感情で覚える、心で覚えること)が大事だなと思います。私から見たら彼らはそういう経験が少ないという印象です。
研修室であれば、一生懸命聞くし、しっかりメモを取り、ウンウンとうなずいてくれる。でも、2カ月後、3か月後に人事の方に聞くと、「はて?意味があったのか?」と…。彼らの行動が変わっていない。聞いた事を分かった気になって右から左に出ていっちゃっているのです。
我々としてはできる限り頭で理解するのではなく、体やチームで動く事によって、体感の中から学んでいくスタイルというのが大事なのではないかなと考えています。
遠藤: 私が聞いたある企業の新入社員研修の話ですが、2週間くらい泊まり込みで研修をするそうです。そして最後にはみんな涙を流すくらいになるそうです。そういう経験をした人たちと、しない人たちとはずいぶんそのあとの成長に違いがでてくるんでしょうね。弊社でも新入社員研修を実施していますが、体感することが大事だなとつくづく思いますね。
池田: 一番大事なものは彼らの感情を動かす事だと思います。彼らは心が無いわけではないんです。起こった事実に対して感情がない。嬉しいや悔しいとかがないんです。先ほど遠藤さんがおっしゃった企業のお話も、自分がやりきった達成感や悔しさ嬉しさがあって涙を流すわけです。人は感情が動かされた時に一番変化するんじゃないかなと思います。感情が動かないといけないと痛感しています。
遠藤: 私がエイムソウル社を知ったきっかけは、私の知り合いの経営者から「新入社員が公開講座に参加し、その後の彼らを見ていて、こんな厳しい経験を戦ったからこそできる連帯感がある」と聞いたからです。御社の合宿研修には複数企業が参加する公開型と1社で実施されるものがありますが違いはなんでしょうか?
池田: 公開型に参加する各社の思惑は様々で、新卒に限っていうと、採用した人数が少なく、1社では実施できないからいう企業がある一方、単独で実施できるが、あえて公開型に参加させる企業もあります。自社開催だと自社の価値観だけになってしまいます。また比較対象も少なくなります。そこで、同世代との刺激、社会の市場価値というものを体感させる、という思惑を持って参加させる企業もあります。公開型のメリットは、同期が他社に増えることです。この間、研修後数カ月して参加企業に訪問した際、「○○会社の○○さんはどうしてますか?」といった声がかかりました。「○○さんは△△してて頑張ってるよ!」と伝えると、「○○さんに負けないよう頑張ります!」といった返事が返ってきました。時間が過ぎてもお互いに関心を持っている関係ができていました。このように同窓生ができる空気感を作るというのが公開型のメリットですね。
ただし、業種業態が多岐にわたり要望も様々となるため、内容は汎用的なものになってしまいます。例えば、我々が通常お伝えしている「社会人とは」などをオーソドックスに受けて頂くことになります。会社ごとのニーズを組みとったプログラム作りができないのがデメリットです。逆に個社型であれば要望を込んだプログラムにカスタマイズできます。
遠藤: 彼らが22年間で身に付けた習慣を2泊3日の合宿研修ですべて変えることは難しいとは思いますが、そんな中でも池田さんが思う若手を変えるコツはなんでしょうか?
池田: よく企業の人事の方から質問されるのですが、私は講師が本気であることだと思います。おこがましいですけど、その人のためにどうするのがいいのか、本気でインストラクター同士、人事の方・経営者の方と夜通し議論して、当然厳しくするところはします。演技だと彼らに見透かされてしまいますから。最近の日報で驚いたのが、「叱って頂きありがとうございました」と書く人がいるんです。この子たちは叱られたことも無いし、興味をあまり持たれてこなかったのではないかと思うんです。私は叱ることも褒めることも全部、その人を思っているから出る行為だと思っています。愛情というか3日間死ぬ気で彼らの事をずっと考えていることが彼らに伝われば、変わらなきゃと思ってくれる人が増えるんじゃないかなと思っています。私自身が思うに、「本気で取り組む」。つきなみですけどね。
中には時間がくればありがとうございましたと帰ってしまう講師の方もいらっしゃいますけど…。
遠藤: そうですね。受講者もへんに研修慣れしている人もいますから講師側もそうなっていることもあるかもしれません。やっぱり一人一人本気で向き合うってことは大事ですね。

遠藤: 2泊3日の研修後、現実はそこからスタートするわけですが、会社に戻って研修の効果はどうしても時が経つにつれて薄れてしまう。これをどう継続していくかで工夫されている事は何でしょうか?
池田: 確かに私たちもそこが重要だと思っています。合宿研修に限って言うと、会社に戻る前は、目つきが変わり、一生懸命やるという決意は固めるんですけど、でも、人間は弱いもので現場に戻って日常に戻るとその決意がだんだん薄れていきます。これを維持するのは難しいですけど、下がっていく効果をなるべく現状維持に近い形として意識するためには「当事者を増やす(巻き込む人を増やす)」事だと思います。
研修最終日に同期の前で個人ワークではなく、全体での連帯責任として今後の目標設定をしていきます。合宿の中では隣のA君ができてなければ、その周りの人間が指摘をするという癖づけをずっとしています。1カ月後、2カ月後を振り返った時にも、自分で言った事に自分で責任を持つという事はもちろんですが、周りもそれを見て見ぬふりをしないというか、常に相手に対して興味を持つという癖づけを継続させる事が重要です。
この定点チェックは1カ月か2か月に1回ずつ程度、我々がする場合もあれば、人事の方に集めて頂いて合宿で目標設定した事が実現できているのかどうか検証をちゃんとします。なかなか研修のフォローでこれができていない事が多いように思います。研修がイベントになってしまっているのです。「そういえばあんな研修があったな」とただ思い出すだけでその時の気づきを生かし切れていないことが多いのです。
同期との連帯の一方で、上司や既存社員の方の対応も重要です。参加者が合宿で気づいたことはいい気づきをしているが、上司等は彼らの経験を見ていないので、彼らがどれだけ頑張ってどれだけの決意を固めて帰ってきたかということがよく分かりません。参加者と上司との間に温度差があると、「何こいつ急に熱あげやがって」といった斜に構えた上司の方がいる場合もあるので、できる限り我々は上司の方向けに説明会を開いたりするなど、個人だけの問題にせず、組織で関連する人物を増やすようにしています。そうすることによって、やっていないと周りからつねに見られているという意識を彼らに持たせるのです。もちろん、参加者からも、上司に対して「この合宿でこういうことを学んできましたので、これからこういう風に行動を変えていきます。みていてください。」と伝え、こちらに興味を持たせるようにします。
また、社内で「ちゃんとやれよ」思っていても言わない会社もあります。ですが、お互いがお互いのために興味を持ち、ちゃんといいところをほめて、ダメなところは指摘をしてあげるという癖づけを社内でできると、研修だけではなくその後の社内活性という意味でもいい事だと私は思います。


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