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| 遠藤: |
選択理論をビジネスとして広げていこうとスタートした経緯について聞かせてください。 |
| 堀江: |
選択理論と出会ったのは、人材採用サービス会社でマネージャーだった頃です。同じように指導をしても伝わる人となかなか伝わらない人がいて、「なぜ違いが出るのだろうか?」と単純な疑問を持っていました。そんなとき、仕事先で選択理論を勉強している人を紹介され、その人の「とてもいい研修だから受けてみたらどうか」という薦めもあって受講しました。受講後、自身が持っていた疑問や悩みの「なぜそうなのか?」が理論的に理解することができました。 |
| 遠藤: |
それで選択理論を広めていこうと、今のような社員研修を始められたのですか? |
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| 堀江: |
いいえ。実は、この理論を学んで最初に思ったことは仕事柄、再就職を目指す人材紹介をしていたので、「キャリアカウンセリングに生かしていける」ということでした。それから勉強を深めていくうちに、ただ「勉強をしたほうがいい」という思いだけではなく、人の上に立つ人にとっては必須スキルだと思うようになりました。それからは経営者を中心にセミナーを実施し、共感してくれる人が増え、徐々に広がってきました。将来的には社員全員が勉強していただけるといいなぁと思って日々活動をしています。 |
| 遠藤: |
私もコンベックスを創業して2年目に選択理論の研修を受講しました。愛媛では選択理論の考え方に賛同する経営者が増えてきましたが、経営者に選択理論がこんなにも受け入れられたのはどういう背景からだと思いますか? |
| 堀江: |
おそらくどの経営者、管理職も部下育成・指導の方法で悩んでいると思います。私もそうでしたが、「なぜうまくいかないのか」を選択理論は明確な理論で説明されており、納得性が高いからだと思います。
それと選択理論を学び、実際に行動した人は確実に変化を起こしています。その事実を目の当たりにしているのも理由かもしれませんね。 |
| 遠藤: |
そうですね。私も選択理論を知らなかったら違うマネジメントをしていたと思います。きっとボスマネジメントをしていたと思います。 |
| 堀江: |
遠藤さんにも選択理論は影響を与えたわけですね。私は選択理論を学んだ人が一歩踏み出す勇気を出せるようサポートする役割だと思っています。 |
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| 遠藤: |
昔通り自分が学んだことを言っても若者には響かないということですよね。 |
| 堀江: |
そうです。仕事に求めていることが世代間で大きく異なっているので、このギャップに悩んでいるマネージャーが多いのではないかと思います。そこで、若い人たちを生かすためにマネージャーは「若い人たちが仕事に求めていることが自分たちとは違う」ということをしっかり知り、受け入れる事が非常に重要です。 |
| 遠藤: |
なるほど。ギャップがある事を知り、それを受け入れるということですか。 |
| 堀江: |
そして若い人たちの5つの欲求が満たされるようなマネジメントや職場のシステムを形作っていくことも必要です。 |
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| 遠藤: |
先ほど、若い人たちと団塊の世代の人たちや40代、50代の人たちとでは会社に求めていることが違うとおっしゃっていましたが、それ以外に社会の背景が違うともおっしゃっていました。社会の背景の違いとはどういう事でしょうか? |
| 堀江: |
昔のように売れることが前提で右肩上がりであれば、従業員は上司の指示を聞いて滞りなく業務を行っていればそれなりに業績が上がり、良かったかもしれません。つまり外的コントロール(=ボスマネジメント)でうまくいっていました。しかし、今は構造的な不況です。今こうやったら絶対もうかるとか売上が上がるとか言い切れる方法はありません。そうすると一番重要な役割を担っているのはお客さんとの接点を持っている一般社員となります。一般社員は言われたことをただやるのではなく、自分で状況判断ができ、正しい行動が選択でき、責任ある自立した行動を取ることが求められています。経営者として正しい経営判断をするためにはお客様からの生の情報がとても重要なのです。このような時代において従来の人間観の基軸である外的コントロール(ボスマネジメント)をすると、自立心が育つかというと・・・NOですよね。 |
| 遠藤: |
ビジネスマンとして「指示待ち人間はダメ。自分で考え、行動するようになれ!」と当たり前のように言いますよね。 |
| 堀江: |
確かにそうですね。では、自分で考え行動する人になってほしいのであれば、そうなるような育て方をしないといけませんよね。そのためには、若い人たちにあれこれ指導(=ボスマネジメント)をして変えようとするのではなく、マネージャーは自身の在り方を変える方が早いと思います。 |
| 遠藤: |
つまり、マネージャーは若い人たちとのギャップをしっかり知り、受け入れて、自分自身の在り方を変えていくとよいということですね。 |
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| 遠藤: |
さて、選択理論を実践していく上で、「本人たちから話を引き出し、選択させていくこと」と「教え込むこと(ティーチング)」のバランスが難しいというマネージャーが多いかと思うのですが、これついてはどう思われますか? |
| 堀江: |
私は、難しいというよりも、慣れていないから教えたくなるっていうことはあると思います。マネージャーは忙しく時間が無いため、そこで「どう思う?」と聞いてあげるゆとりはマネージャーにはありません。指示を出してさっとやったほうが早いのですから。でも本当はもっとじっくり関わってあげたいマネージャーはたくさんいると思います。私は上の人には部下と接する精神的なゆとりがないと難しいと思います。 |
| 遠藤: |
ゆとりを作っていくのも、上に立つ人には必要なことなのですね。堀江さんは普段どうされていますか? |
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| 堀江: |
そうですね・・・。私はゆとりを作るヒントは、自分独自のモードの切り替え方を持つことだと思います。私の場合、忙しくバタバタしていてもメンバーと話をするときは、一呼吸を置く(深呼吸をする)とか、パソコンの電源を落とすようにしています。
「話を聞くぞ」という状態にしないと、バタバタした状態でじっくり聞くとか話を引き出すのは至難の業じゃないかなと思います。 |
| 遠藤: |
そうかもしれませんね。自分独自の切り替え方を持ち、ゆとりが持てるようにしないといけませんね。 |
| 堀江: |
景気が厳しくなるとすぐに販売系の会社の場合、売上・利益に目が行ってしまいますよね。この間もある会社で社員の人に「会社は何を求めていると思う?」ときいたら「売上・利益」しか出てきませんでした。「売上・利益」を上げることは目標であって、目的にしてはいけないと思うんですよね。目的を話さずに売上・利益を追求していくと、社員はモチベーションが上がらないし、場合によっては不正が出たり、ひどい時は鬱になったりとかもします。その会社で聞いたのですが、今年入った新入社員48人のうち18人がすでに辞めており、そのうちの数人が鬱になっていたそうです。ついて行けないんですよ。そういう外的圧力に対する耐性が育ってないので・・・。 |
| 遠藤: |
若い人の早期退職はボスマネジメントによる弊害と言えそうですね。 |
| 堀江: |
このような事態にならないためにも、引き出すというマネジメントの技術もさることながら、そうした若い人たちの欲求を満たしてあげられるような職場づくりをすることが先決でしょうね。そして先ほど話を引き出すこととティーチングのバランスが難しいという話がありましたが、教えてあげたらいいと思うんですよ。要は相手が聞くモードになっているかどうかということで、聞くモードになっていれば私はいいと思うんですよね。 |